オンライン講座・コーチング・教材販売を始める方、講師に講義を任せる方へ講座を売り出す前に、
書類で決めておくこと
オンライン講座を開設する、Zoomの個別相談で講座を案内する、動画教材を販売する、コーチングを始める、外部の講師に講義を任せる。講座の仕事は、取引類型の判定、電話勧誘販売の契約書面とクーリング・オフ、特商法表記と最終確認画面、返金と中途解約の精算、分割払いと割賦販売法、免責や解除の条項、録画と個人情報、教材とノウハウの保護、講師との業務委託など、利用規約の雛形だけでは決まらない論点が重なります。このガイドは、アトラス行政書士法人が作成・レビューしてきたオンライン講座の受講規約・受講契約書、契約書面、特商法表記、プライバシーポリシー、講師の業務委託契約書の実例と、条文の一次確認に基づいて、講座の主催者がつまずきやすい論点をテーマ別にまとめたものです。
オンライン講座を開設する方

売り方を決めてから、書類を選ぶ
同じ動画講座でも、販売ページから直接申し込んでもらうのか、Zoomの個別相談で勧めるのか、会場でその場で申込みを受けるのかで、適用される規律が入れ替わります。受講者が消費者か、仕事や報酬を約束するか、分割払いを受けるかも確かめます。
「ネットで申し込むから通信販売」「事業者向けだから消費者の法律は関係ない」という一足飛びの結論は、後から覆りがちです。判定の順序に沿って一つずつ確かめるのが近道です。
Zoomの個別相談で講座を案内する方

URLを送った通話での勧誘は、電話勧誘販売に当たり得る
主催者がZoomのURLを送り、その通話で受講を勧めて申込みを受けると、申込みがウェブのフォームでも電話勧誘販売に当たり得ます。契約書面の交付、8日間のクーリング・オフ、通話冒頭の告知、再勧誘の禁止がかかります。
通信販売に寄せる運用にするか、電話勧誘販売として整えるかを決め、台本・記録・書類をそろえることが大切です。
教材販売の特商法表記を整えたい方

表記・確認画面・入金後の通知の三つをそろえる
通信販売の講座では、特商法表記に加えて、申込み直前の確認画面に分量・価格・提供時期・解約条件を表示し、前払いなら入金後に承諾通知を送る必要があります。
住所や電話番号は、請求があれば開示する方式で表記から外せます。ただし、入金後の通知や契約書面には記載が必要です。
返金・分割払いのルールを決めたい方

「返金不可」ではなく、根拠のある精算を書く
「受講開始後は返金しない」は、消費者を相手にする講座ではそのまま通りません。回数按分・日割り・構成要素別など、講座の構成に合った精算のルールを根拠とともに書きます。
自社で2か月以上・3回以上に分けて受け取ると、多くの講座が割賦販売法の対象になり得ます。書面での催告や遅延損害金の上限にも注意が要ります。
コーチング・個別セッションを始める方

「何をしないか」から契約を組み立てる
コーチングやカウンセリングでは、医療や心理療法ではないこと、受診を優先すべきときの中断・延期・返金の手順を、サービス内容として先に定めます。お金の講座なら、投資助言に踏み込まない線引きが中心です。
日程変更・遅刻・無断欠席・通信の途切れの扱い、「実施済みの回」の数え方、提供者が続けられなくなったときの扱いもそろえます。
教材を守り、講師に講義を任せる方

教材の保護と講師との契約を、講座に合わせて
教材は、権利の帰属、禁止する行為(無断共有・生成AIへの入力など)、模倣の禁止の範囲、違約金の考え方を具体的に書いて守ります。受講生が学んだことを自分の仕事に生かす自由とは、線を引きます。
外部講師には、直前辞退の扱い、講義録画の許諾と配信期間、受講生の引き抜きの禁止、報酬の明細と支払期日を契約で決めておきます。
このガイドの解説ページ
よくあるご質問
オンライン講座を開設するとき、最初に何を確認すればよいですか。
受講者が消費者か事業者か、集客から申込みまでの流れ(販売ページから直接か、Zoomの個別相談で勧めるか、会場でその場で申し込むか)、仕事や報酬を約束するか、教える内容、支払方法の順で確かめます。この順番で取引類型が決まり、必要な書類が決まります。
オンライン講座の利用規約だけ作れば足りますか。
販売ページから受講者が自分で申し込む通信販売なら、利用規約・プライバシーポリシー・特商法表記と申込み直前の確認画面の表示が中心です。Zoomの個別相談で勧めて申し込んでもらう講座では、法令で記載事項と様式が決まった契約書面(赤枠のクーリング・オフ付き)が加わります。
Zoomの無料相談から申し込んでもらう講座に、クーリング・オフはありますか。
主催者がURLを送ったZoomの通話で受講を勧め、その後に申込みを受けた場合は、電話勧誘販売に当たり得ます。当たれば、契約書面を受け取った日から8日間のクーリング・オフがあり、書面を交付しなければ期間が始まりません。
教材販売の特商法表記に、自宅の住所を載せないことはできますか。
金額を全部表示し、請求があれば遅滞なく開示する旨を表記に書けば、住所・電話番号を表記から省略できます(特定商取引法11条ただし書、施行規則25条2項)。ただし、前払いの講座の入金後の承諾通知や、電話勧誘販売の契約書面には記載が必要です。
外部講師との業務委託契約書で、特に書いておくことは?
報酬と支払期日に加えて、直前の辞退や中止の扱い、講義の録画の許諾と配信期間、受講生の勧誘の禁止、秘密保持と生成AIへの入力の禁止、受講者の個人情報の扱いを決めておきます。講師がフリーランスなら、取引条件を書面などで明示します。
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運営事務所・ご相談のご案内監修:アトラス行政書士法人(代表社員 荒木素子・特定行政書士) 最終確認日:2026年10月15日